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2018.03.20
小児治療 「おそれ」を解消する

3歳児健診で「虫歯があります」と言われ

受診したものの、診療室に入ったとたん

泣き出し、治療どころではないという

ことがあります。

子どもの虫歯の進行は大人より早いので

大人以上に治療は大切なのですが、治療

は大変難しいのです。

  虫歯治療は削ったり、詰めたりという

処置が多く、基本的には大人と同じよう

に静かに口を開いていることが必要

です。しかし、三歳未満では歯科医の

指示に従ってじっと口を開いていると

いうことは一般的にできないものです。

  この時期の虫歯は上あごの前歯の隣接面

や歯の付け根にあることが多く、治療が

難しいのですが、幸い手が届きやすい

場所の虫歯なので、少し削ったり虫歯の

進行を止める薬を塗ったりして、治療の

できる時期まで待ちます。同時に育児

内容を改善し、虫歯が新しく発生しない

ようにすることが診療のすべてとも言え

ます。

  三歳以降では上手に誘導することができ

るようになります。泣き出すなど「おそ

れ」を抱いている場合には、診療台に座

る、ブラッシングする、口を開けると

いったその子にとって努力すればできる

テーマを、一つずつ乗り越えさせるよう

にして正しい行動に誘導するようにしま

す。痛い、熱があるといった精神的に

よくない時期にはよい行動を取れない

ものです。健康な時期こそ、かかりつけ

の歯医者を見つけることが、本当の意味

で上手な歯科医のかかり方と言えましょう。

 

              大阪大学名誉教授 祖父江鎮雄

              (2004年7月8日 読売新聞 搭載)